日本版スチュワードシップ・コード

コムジェスト・アセットマネジメントは、2014年2月に、金融庁により策定された「責任ある機関投資家」の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)の受け入れを表明するとともに、これらの原則に対する方針を公表しました。これらの原則は、弊社のこれまでの株式運用における特徴ともなっています。コムジェスト・アセットマネジメントは、日本企業による株主利益を重視したコーポレート・ガバナンスの促進を歓迎いたします。
 
また、2020年3月に「日本版スチュワードシップ・コード」が改訂されたことを受け、同年9月、改訂内容に対応した公表項目の更新を行いました。更新後の方針は以下のとおりです。

 

 

原則1.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

委託先であるコムジェストS.A.(以下コムジェスト)は、「長期的なクオリティグロース(質の高い成長)」に着目する投資哲学に沿いリターンを創出することを目的に、お客様の資産の運用を行っています。そのため、投資先企業がその企業価値をいかに創出、維持、保護するか、その能力を見極めることが、当社の運用プロセスの中核となります。ESGの要素を投資分析に組み込むことは、当社の投資プロセスの要です。
 
コムジェストは、投資先企業の長期的かつ持続可能な企業価値に影響するすべての問題に関与し、議決権を行使しています。これらの問題には、事業戦略、業績、資金調達ならびに資本配分、事業経営、(事業等の)取得・譲渡、事業運営、内部統制、リスク管理、経営組織・取締役会や各種委員会等のメンバーとその構成、持続可能性、報酬、環境・社会的責任などが含まれます。
 
当社は、日本株式の運用権限をフランスのコムジェストS.A.社に委託していることから、運用委託先を通してスチュワードシップ責任を果たします。従いまして、同委託先が以下に掲げる方針に基づいたスチュワードシップ活動を行っていることの確認を通して、当該原則を実践します。

 

 

原則2.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

コムジェストは、スチュワードシップ責任を果たす際に、お客様の利益を第一に考えて行うことが責務であると考えています。
 
コムジェストは、発生し得る利益相反を特定し、実際に利益相反が発生した場合に、これを軽減、回避することを目的として、利益相反ならびに議決権行使に関する包括的な方針を導入しています。本方針につきましては、ご要望に応じて提示いたします。
 
議決権行使において、重大な利益相反を回避することが不可能と判断した場合、コムジェストは、お客様の代理としての議決権行使を行いません。

 

 

原則3.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

コムジェストは、投資に先立ち、投資を予定している企業をでき得る限り訪問し、継続的に監視を行っています。当該企業の経営陣、お客様、サプライヤー、競合他社等との対話が、コムジェストの主な情報源となります。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)分析を合わせて実施することにより、当該企業の質に関して、有益な知見を補足的に得ることができます。

 

 

原則4.機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

コムジェストは、投資先企業を長期的な投資対象として捉えています。このような投資先企業とコムジェストとの関係は、情報、透明性、説明責任によって支えられています。これらは、お客様の利益に資するため、コムジェストが投資先企業に見出すよう努めている要素であると同時に、お客様がコムジェストに対して求めるべき要素でもあります。
 
コムジェストは運用プロセスの一環として、投資先企業にとって重要な問題に関し、定期的に直接自らまたは、他の投資家と協働して「目的を持った対話(エンゲージメント)」を行います。

 

 

原則5.機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

投資先企業に対し積極的に提言を行う投資家であり、国連責任投資原則(UNPRI)の署名企業でもあるコムジェストは、実際に可能かつお客様の利益に資すると認められる場合において、投資先のすべての企業が開催するすべての株主総会において、当社方針に沿って議決権を行使することを目標としています。
 
議決権行使活動の効率性を高めるため、コムジェストは、議決権行使助言サービス大手のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ社(Institutional Shareholder Services Inc.)のサービスを利用しています。
 
コムジェストでは、議決権行使政策を担当するESG(環境・社会・ガバナンス)チームを設置しており、同チームは一年に一度、議決権行使規程の見直しを行っています。また同チームは、議決権行使プロセスが適切に実行されるよう、議決権行使活動の監視・調整業務も行っています。
 
当社が運用する投資信託のすべての議決権行使結果は、コムジェストのウェブサイトで開示しています。

 

 

原則6.機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、お客様・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

ESG(環境・社会・ガバナンス)チームは、責任投資に関する四半期報告および議決権行使に関する年次報告を通じ、コムジェストによる議決権行使活動や、その他の責任ある投資活動(エンゲージメント)について、四半期および一年毎に報告を行っています。以上の報告の内容については、お客様のご要望に応じて提示いたします。

 

 

原則7.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサスティナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

長期的なクオリティグロース(質の高い成長)に着目する戦略を採用し、長期の視点から投資を行う資産運用会社として、コムジェストは常に、永続性と持続可能性の概念を重要視し、同時に、将来的に投資先企業の強化または弱体化につながる可能性のあるすべての要素を、重要なものとして捉えています。
 
スチュワードシップ活動などのコムジェストの責任投資戦略は、毎年見直しを行います。

 

 

原則8.機関投資家向けサービス提供者は、機関投資家がスチュワードシップ責任を果たすに当たり、適切にサービスを提供し、インベストメント・チェーン全体の機能向上に資するものとなるよう努めるべきである。

当社は、責任ある投資家としての義務を果たすことができるよう、ESGサービスプロバイダーが製品やサービスを向上させることを支援するために、ESGサービスプロバイダーとの連携に取り組んでいます。